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計算科学研究センター(3ページ) 分子研リポート2013 | 分子科学研究所

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314 研究施設の現状と将来計画

8-6 計算科学研究センター

計算科学研究センターは,2000年度の電子計算機センターから計算科学研究センターへの組織改組にともない, 従来の共同利用に加えて,理論,方法論の開発等の研究,理論計算科学研究の場の提供,ネットワーク業務の支援, 人材育成等の新たな業務に取り組んでいる。2013年度においても,次世代スーパーコンピュータプロジェクト支援, ネットワーク管理室支援等をはじめとした様々な活動を展開している。上記プロジェクトについてはそれぞれの項に 詳しく,ここでは共同利用に関する活動を中心に,特に設備の運用等について記す。

2014年3月現在の共同利用サービスを行っている計算機システムの概要を示す。本システムは,「超高速分子シ ミュレータ」と「高性能分子シミュレータ」から構成されている。前者は2012年2月に更新され,後者は2013年 3月に更新された。両シミュレータは,いずれも量子化学,分子シミュレーション,固体電子論などの共同利用の多 様な計算要求に応えうるための汎用性があるばかりでなく,ユーザーサイドの P C クラスタでは不可能な大規模計算 を実行できる性能を有する。

まず,超高速分子シミュレータは富士通社製の PR IM E R G Y R X 300S 7 と S G I 社製の U V 1000 から構成される共有メ モリ型スカラ計算機で,両サーバは同一体系の C PU(Intel X eon)および OS (L i nux2.6)をもとに,バイナリ互換性 を保って一体的に運用される。これらに加え,京コンピュータと同じアーキテクチャの富士通製 PR IM E H PC F X 10 が あり,システム全体として総演算性能 188.7 T fl ops で総メモリ容量 55 T B y te 超である。PR IM E R G Y R X 300S 7 は,16 C PU コア /128 GB 構成のノード 342 台からなる PC クラスタである。インターコネクトは,InfiniB and QD R を採用し, 全台数を 40 GB /s で,一部は2系統の 80 GB /s で演算ノード間を相互接続しており,大規模な分子動力学計算などノー ドをまたがる並列ジョブを高速で実行することができる。特徴としては,v S M P が導入してあることで,複数ノード を仮想的に 1 ノードの巨大共有メモリシステムとして運用でき,これをジョブ毎に制御が可能である。また 32 ノー ドには,NV ID IA社製の G PG PU T eslaM2090 を搭載している。U V 2000 は 1024 C PU コア /8 T B を有する NU MA型の 共有メモリシステムであり,ジョブ作業領域用に実効容量 400 T B および総理論読み出し性能 12 G B /s を有する高速 磁気ディスク装置が装備され,大規模で高精度な量子化学計算を可能とする。この2サーバで 1000 T B の容量の外部 磁気ディスクを共有し,NF S より高速なパラレル NF S が使用できる。PR IME HPC F X 10 は,16C PU コア /32GB の 96 ノー ドが富士通独自の T ofu インターコネクトで連結されたシステムである。京コンピュータと互換性があり,京コンピュー タのプログラム開発やデータ解析等に活用されている。

一方,高性能分子シミュレータは,演算サーバ,ファイルサーバ,フロントエンドサーバ,運用管理クラスタおよ びネットワーク装置から構成される。演算サーバは,富士通製の PR IME R GY C X 250S 1 で,16 C PU コア /64 GB yte 構 成のノード 368 台からなる共有メモリ型スカラ計算機の PC クラスタである。理論総演算性能は 136.6 T flops,総メモ リ容量は 23 T B yte である。インターコネクトは InfiniB and F D R を採用し,全台数を 56 GB /s で相互接続しており,大 規模な分子動力学計算などノードをまたがる並列ジョブを高速で実行することができる。ファイルサーバは,1800 T B yte のディスクを装備しており,演算サーバのインターコネクトに直結している。本ディスクは,演算サーバのワー クディレクトリとしてだけでなく,共同利用システム全体のホームディレクトリやバックアップ領域として運用して いる。本年度はファイルサーバのメモリを 32 G B から 128 G B に増強することでファイルアクセス速度の大幅な改善 に成功した。本演算サーバは,2014年9月に次世代 C P U を有する P C クラスタに入れ換えることになっており,そ の時点では 300 T f l ops 以上に増強される。なお両システムの P C クラスタは一体的に運用が可能であり,この場合総 演算性能は 263.5 T flops にもおよぶ。本構成で linpack による C PU 性能測定を行った結果 237.9 T flops を記録すること ができ,2013年6月版 T OP500 リストに世界で 129 位の計算機として掲載された。

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研究施設の現状と将来計画 315 ハードウェアに加え,利用者が分子科学の計算をすぐに始められるようにソフトウェアについても整備を行ってい る。量子化学分野においては,G aussi an 09,G amess,M ol pro,M ol cas,T urbomol e,分子動力学分野では,A mber, NA MD ,Gromacs がインストールされている。これらを使った計算は全体の約半数を占めている。さらに,量子化学デー タベース研究会の活動を支援し,同会から提供された量子化学文献データベースをホームページから検索できるよう にしている。これまでに合計 125,646 件のデータが収録され,世界 84 カ国から利用されている。

共同利用に関しては,2013年度は 200 研究グループにより,総数 737 名にもおよぶ利用者がこれらのシステムを 日常的に利用している。近年,共同利用における利用者数が増加傾向にあり,このことは計算科学研究センターが分 子科学分野や物性科学分野において極めて重要な役割を担っており,特色のある計算機資源とソフトウエアを提供し ていることを示している。

計算科学研究センターは,国家基幹技術の一つとして位置づけられている次世代スーパーコンピュータプロジェク トにおいて,とくにナノサイエンスに関わるアプリケーション開発「ナノ統合シミュレーションソフトウェアの研究 開発」において重要な役割の一端を担っている。また,昨年度より,革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・ インフラ(H P C I)戦略プログラムが開始された。この中で,H P C I 戦略分野2「新物質・エネルギー創成」計算物質 科学イニシアティブ(C MS I: C omputational Materials S cience Initiative)が物性科学分野,分子科学分野,材料科学分野 により構成され,C MS I の戦略機関の一つとして分子科学研究所が参加し戦略プログラムを推進している。HPC I 事業 の中で,計算科学研究センターは H P C I の資源提供機関の一つとして H P C I 戦略プログラムに参加し,2011年度よ りコンピュータ資源の一部(20% 未満)を提供・協力している。さらに,ハード・ソフトでの協力以外にも,分野振 興および人材育成に関して,スーパーコンピュータワークショップ「計算化学の最新の成果と展開」と2つのウィン タースクール「第3回量子化学ウインタースクール〜基礎理論と分子物性の理論〜」と「第7回分子シミュレーショ ンスクール〜基礎から応用まで〜」を開催した。

平成25年度 システム構成 超高速分子シミュレータシステム

クラスタ演算サーバ

型番:富士通 PR IME R GY R X 300S 7 OS:L inux

C PUC ore 数:5472(16C PUC ore× 342 ノード)

総理論性能:126.9 T flops(371.2 Gflops× 342 ノード)+21.2 T flops(T eslaM2090 x32) 総メモリ容量:43.7 T B (128 GB × 342 ノード)

高速 I/O 演算サーバ 型番:S GI UV 2000 OS:L inux C PUC ore 数:1024

総理論性能:21.2 T flops(20.8 Gflops/C PUC ore) 総メモリ容量:8.0 T B

ディスク容量:400 T B (/work)

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316 研究施設の現状と将来計画

「京」用開発サーバ

型番:富士通 PR IME HPC F X 10 OS:L inux

C PUC ore 数:1536(16C PUC ore× 96 ノード) 総理論性能:20.2 T flops(13.2 Gflops/C PUC ore) 総メモリ容量:3.0 T B (32 GB × 96 ノード) ディスク容量:48 T B (/k/home)

外部磁気ディスク装置

型番:PA NA S A S PA S 12,PA S 11 総ディスク容量:1000 T B 高速ネットワーク装置

型番:F orce10 Z 9000

高性能分子シミュレータシステム 演算サーバ

型番:富士通 PR IME R GY C X 250S 1 OS:L inux

C PUC ore 数:5888(16C PUC ore× 368 ノード) 総理論性能:136.6 T flops(371.2 Gflops× 368 ノード) 総メモリ容量:23.5 T B (64 GB × 368 ノード) ファイルサーバ

型番:富士通 PR IME R GY R X 300S 7(8 ノード) OS:L inux

総メモリ容量:320 GB (64 GB × 2 ノード+ 32 GB ×6 ノード)

ディスク容量:1800 T B (/home(300 T B ),/save(600 T B ),/week(300 T B ),バックアップ領域(600 T B )) フロントエンドサーバ

型番:富士通 PR IME R GY R X 300S 7(4 ノード) OS:L inux

総メモリ容量:256 GB (64 GB × 4 ノード) 運用管理クラスタ

型番:富士通 PR IME R GY R X 200S 7(16 ノード) OS:L inux

総メモリ容量:512 GB (32 GB × 16 ノード) 高速ネットワーク装置

型番:F orce10 S 4810

参照

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